信じられない経験をした若者の話
皆さんは、大好きな人に裏切られた経験はありますか?
あるでしょう、ほとんどの方はイエスと答えるかと思います。
はじめまして、お餅さんと申します。
私はつい最近、2年半を共にし愛し合っていた彼氏とお別れすることとなりました。
その経緯が余りにも現実離れしていたので、ここに記しておくことにしました。
2年半ですので、かなりの長編になることを予想しております。
ええ、もちろんつい最近の話ですから、まだ私は彼のことを思っていますし、そして諸事情があって家族に秘密の関係となりつつあります。
どこにも吐き出しようのない気持ちをここで吐き出させて欲しいと、つまりはそういうことです。
事の始まりは3年前の秋。
当時の私はTwitterにどハマりしており、邦ロック仲間と共に毎日ワイワイ楽しんでおりました。
彼もその中のひとりで、たまたま地元が同じだったこともあり同じライブへ行くことが判明。
会えたらいいね、なんて話しながらも、内心私はかなりドキドキしておりました。それは下心というよりかは、単純に人見知りだったからだろうと思います。
私はその妙な緊張感に耐えきれず会うのを避けていましたが、たまたま物販に並ぶ私を見つけた彼は「あれ、お餅さん?」と声をかけてきました。
これが全ての始まりでした。
ライブの後、少し残って彼を含む数人の方々と余韻に浸りましたが、彼はその時も、私と遭遇した時もずっと同じ女性と2人でいたので、恋愛経験の薄っぺらい私は「あ〜仲良しなのかな?女慣れしてるのかな?」となんとなく思っていました。
彼はそれからと言うもの、私を頻繁に遊びに誘うようになりました。
また会いたいと何度も言われるうち、それは、「好き」という言葉に変わっていきました。
私は彼が女好きだと勝手に確信していたので、妹としてとかそんな感じだろと適当に流していました。が、ある日、2人で人混みの中を歩いていたときのこと、喧騒の中で彼が何かをつぶやきました。私はとっさに「え?なに?」と聞き返しましたが、彼はなんでもないとはぐらかしました。
その時、私は聞き逃しませんでした。
「大好きだよ」と言ったのを。
さらに彼は、今まで彼女ができたことがないと言いました。あれ、女好きとばかり思っていたのに。
それから、あれ?もしかしてこの人ほんとに私のこと好きなのか?と思うようになりました。
そして、彼が私に好きと言ってきたのをいつも通り流したときのことです。
「そういう意味じゃないんだけどなぁ」と彼が言いました。
私は思わず、「友達としてじゃないってこと?」と聞いてしまい、彼はそれに肯定。
女性として私が好きだと、付き合ってほしいと言われたのをきっかけに交際を開始しました。
しかし、それも1ヶ月で終わりを告げました。
私はもともと、束縛したりされたりするのがとても嫌いで、付き合っていても男女関係なく友達付き合いを大切にしていたいタイプでした。
確かに私はそれを彼に伝えました。伝えてはいましたが、それでも耐えられなかったのです。
彼が、毎晩他の女性と電話をして、ツイッターでいちゃつき、また別の女性の名前ばかりを呼び、ベタベタと仲良くするのを見ていられませんでした。
私は耐えきれず別れを告げました。
理由を何度も聞かれ、別れたくないと引き止められましたが、嫉妬してたなんて情けないことを言うのは自分のプライドが許さず、理由は頑なに教えませんでした。
その頃の私は、若い頃の恋愛なんて人生経験のひとつでしかないと思っていたので、別れてもさほどダメージはなかったです。
その半年後。
私はその時語学留学のためカナダにいました。彼とはその間連絡を取っていませんでしたが、勉強のため、英語でLINEしてくれる人を募集したところ彼が名乗りをあげたためまた会話を始めることになりました。
もちろん拙い英語での会話なので、たいした内容は話していないし、返事もお互い遅かったです。
しかしながら、また彼と再会する機会が訪れます。
私は姉の結婚式のため日本へ一時帰国し、その間はLINEも日本語にしようと決めました。
すると彼は途端に返事が早くなり、帰国の話をしたら、遊ぼうと誘ってきたのです。
私は少し悩みましたが、別にいいだろうと思い承諾をしました。
今考えれば、これが間違いだったのかもしれません。
会うのを数日前に控えていたとき、彼とLINEで付き合っていた当時の話になりました。
私はなんとなくもう言ってもいいかなと思い、当時嫉妬して別れたことを伝えました。
すると彼は、「今でもまだ好きなのに」と言ったのです。
私は非常に困りました。会うのをやめるかも悩みました。でもそこで断る勇気もなかったし、どこかでそこまで私を思ってくれている彼に期待する気持ちがありました。
当日、あまりにも緊張した私は、本当に申し訳ないことに何かと理由をつけて会う時間を減らしました。彼はそんな私を察して、「会いたくなかったらいいよ」と言いましたが、そういうわけではなかったので1時間ほどだけ会うことにしました。
場所に向かうまでのバスの中で胸をドキドキとさせ、心臓が口から出るんじゃないかと本気で心配するほど緊張しました。
久々に会う彼は何も変わっておらず、ただやっぱりかっこいいなと思いました。シンプルな白いシャツに黒いスキニーと、ネックレスというイケメンにしか着こなせない格好で私を迎えた彼は、会ってみると先ほどまで緊張していたのが馬鹿だと感じるほどに話しやすかったのを覚えています。
この人やっぱり素敵だな、と感じざるを得ませんでした。
あ、言い忘れていましたが、彼は高身長でルックスも良く、雰囲気でいうと坂口健太郎さんや竹内涼真さんに似ています。
恋愛経験のうっっっすい私は、彼の甘いルックスと言葉巧みな落とし文句にまんまと引っかかってしまったのでしょう。
解散する時、彼はバイバイと言ってくるりを体の向きを変えた私の腕をつかんで引き寄せ、耳元で「好きです。付き合ってください」と囁きました。
あらあらもうもう少女漫画とケータイ小説が大好きな陰キャ少女には最高の落とし文句とシチュエーションでした。
なんだこれは乙女ゲーか?現実か?と、家に帰った後ニヤニヤしてしまうのを抑えられませんでした。
彼は驚いて固まった私が返事をする前に、じゃあねと言って去ってしまったので、私はいつ返事をすべきか、また返事をどうするか悩みながらその話には一切触れずLINEを続けました。が、彼が夜に「今日の返事を聞かせてほしい」と言ったので、私は少し待って欲しいとお願いをして友人に相談しました。
結局何も決められないまま朝を迎え、目を覚ました私は昨日のことを思い出し、咄嗟に「あ、付き合おう」と思いました。
なんというか、直感という感じでした。
私が彼にイエスと伝えると、彼は本当に本当に喜んでくれて、一気に幸せな気持ちになりました。
しかし、私はまたすぐにカナダに戻らなくてはならないので遠距離となってしまいます......。
ただただ幸せな日々を想像していた私を突き落とす出来事は、この後から次々と起こります。
それは次回に続こうと思います。